目の前のことに精いっぱい取り組め!

株式会社Chrysmela代表取締役菊永 英里

菊永 英里

1981年生。青山学院大学文学部英米文学科卒業後、 2003年年株式会社テレウェイヴ入社。 3年半、役員秘書を中心に、新規事業立上げを経験後退社。 2005年より、新しいピアスキャッチの開発に着手し、2006年6月に特許を出願。 2007年7月に株式会社Chrysmela設立。 2008年6月に特許を取得し、はずれにくいピアスキャッチの製造、卸販売を行う。

INTERVIEW

インタビュー詳細開始

CROSSTATION(以下C):現在はどのような業務がメインとなっているのでしょうか?

菊永:弊社はメーカー兼卸売業者で、ピアスの金具を作っています。一般的なピアスキャッチは金属の板を丸めたものやシリコンのゴムを使用しているものなどがあるのですが、これらの種類のピアスキャッチは使用している内に劣化してきて緩くなってきます。私自身もよく失くすな、と思っていたんです。そこで、去年弊社で1000名の10代後半から20代の女性に調査をしたところ、「ピアスを失くしたことがありますか?」という質問に対して73%、つまり「約4人に3人が少なくとも一度は失くしたことがある」と回答し、加えてその73%の内の61%が「何回も失くしたことがある」と回答していました。
つまり、そのような結果が出るということは、ピアスキャッチ自体に問題があるのではないか。そう考えて2005年に今のピアスキャッチの開発に着手しました。はずれにくいピアスキャッチということで特許を出願し、製造販売する会社を創ろうと考え、それまで勤めていた会社を2006年に退社し、2007年7月に設立しました。

ピアスって、そもそもメーカーによってポストの太さが違ったり、同じメーカーでも製造委託している先によってもその太さは違ってきます。つまり、製品毎にバラつきがあるんです。ピアスのポストの太さは大体0,7mm~0.9mmなのですが、既存のピアスキャッチではその差に対応できません。どのピアスにも対応できるピアスキャッチがあれば、そしてゴムやバネではなく機能が劣化しないもの。ということで考えだしたのが、弊社のピアスキャッチになります。対応試験で8,2kgまで留まり、ポストの太さが0,6mm~1,1mmまで対応できるので、ほとんどのピアスに使えます。また、金属アレルギー対応としてサージカルステンレスを使用しています。従って、業務としては、既存のピアスキャッチとは機能面で差別化したピアスキャッチの販売ですね。

ニッチ市場の可能性

C:そのはずれにくいピアスキャッチの仕組みはどのようにして思いつかれたのでしょうか?

菊永:コンセプトとしては、「どのピアスにも合う」「固定力が強く、劣化しにくい」「安全な素材を使用する」の3点を考えていた時に、「シャーペンの芯って何で留まるんだろう?」って疑問を持ったんです。そこで、シャーペンを分解してみたのですが、このシャーペンの仕組みはピアスキャッチにも応用できるんじゃないか、と思いつきました。何パターンも考えて、それを工場で試作して現在の形状に至りました。素材も、金属アレルギーが出にくい、サージカルステンレスを使用しています。

目の前のことに精いっぱい取り組め!

C:ピアスキャッチはとてもニッチ市場だと思うのですが、市場内でのポジショニングはどのような位置づけでしょうか?

菊永:ピアスキャッチは、バネやシリコンなど様々な種類がありますし、多くの会社さんが作っておられるので、量としては結構あるんですね。ですが、固定力という側面から見ると、競合はいないのでは、と考えています。さらに、ニッチ市場であればあるほど良いなと思っているんです。というのも、小さい企業が大手に勝つためには、大手が参入する価値があまりない位のニッチ市場でシェアを伸ばしていくことが必要かなと。数というよりも、競合がいないので価格競争にならないというのが大きいですね。

C:一般的なピアスキャッチの価格はどの程度なのですか?

菊永:例えば、シリコンのタイプで10個入り1袋300円だったり、高くても一個3000円未満くらいですね。たしかに弊社で提供しているものは5000円前後と高いのですが、お客様がピアスキャッチを買われる場合に、自分のピアスのポストの太さを把握していることってあまりなくて、ピアス毎にもポストの太さが違うということも考慮すると、弊社のピアスキャッチを1ペア持っておけば、他のピアスキャッチを買う必要はないと思っていただけるかなと。

C:現在のピアスキャッチはデザインは1つだけですか?

菊永:そうです。型は1つで色展開が何パターンかあります。デザインに関しても色々できるとは思うのですが、私が目指しているのは、YKKのチャックなんですね。つまり、金具に特徴がありすぎると、使っていただくブランドが限られてしまう。だったら一番シンプルで構造として最低限の形を追求しようということで現在の形になっています。機能的価値を重視しているので、弊社の製品って可愛くもなんともないんですよ(笑) むしろ機能のみを売りにしているので、機能以外に今は目を向ける必要がないかなと思っています。

C:ピアスは日本だけでなく世界でも使用されていますよね?

菊永;もちろん!日本ってピアスユーザーまだそんなに多くはないんです。例えばアメリカでイヤリングって言ったらピアスのことを指すくらい市場は大きい。現在国際特許を出願中で2012年を目途に海外展開は考えています。

C: 海外では日本と同じようなピアスキャッチが使われているのでしょうか。

菊永:そうですね、基本的には同じです。日本の金具も国内で製造しているものもありますけれど、大体が海外から輸入しているものであることが多いです。

C:今後ピアスキャッチ以外に製品ラインアップを拡大するご予定はございますか?

菊永:去年から現在のピアスキャッチを販売しているのですが、しばらくはラインアップを拡大する予定はないですね。というのは、現在は私1人でやっているので、やはり多角化してしまうと力が分散してしまうと思うんです。もちろん次の製品は何を出そうか、というのはアイディア帳で色々考えていますけれど。

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